最近は体感としてSNSでのロマンス詐欺が主流になったように思いましたが、また警察官騙りの特殊詐欺(オレオレ詐欺)被害を聞くようになりました。ここはさすがに触れておかないとなあ、と、取り急ぎ記事にします。
- 相手の所属と名前を確認する
- 脅し文句を真に受けない(脅してくる時点で偽者です)
- 個人情報などを教えない
- 折り返して連絡したい旨告げる
- 相手の語る連絡先ではなく、もよりの警察署に直、あるいは電話相談
上記で対応して貰えたら、詐欺師が今後手を変え品を変えてきても恐らく大丈夫だろうと思います。今は遠い県の県警やら警視庁やら名乗るみたいですが、もよりの警察署への相談でよいです。万が一本当に事件だったとしても(無いですが)、地元警察からアプローチしてくれます。
警察、警察官、という時点でまず気おされてしまいますよね。しかも自分が何らかの犯罪に巻き込まれているだのと告げられ、多額のお金がかかっているとあれば冷静になる方が難しい筈です。
各地方の県警を通して、地方テレビ局などでも詐欺電話の音声が公開されているので、是非聞いてみてください。私も事務屋だった頃に公開音声も聞いていますが、「警察官がこんな喋り方するか」という、胡散臭い喋り方しかしません。特徴としては
- 高圧的
- どことなく馬鹿にした口調
- ゆっくり喋っていても芯が無い
私が昔聞いた時から随分年月が経ちますが、今も相変わらず高圧的だったり、馬鹿にした喋り方をする詐欺師は居ますね。学習している・慣れている風な詐欺師はゆっくり喋る事を学習したようですが、それでも偽者であって身分を偽っているだけに、声に芯がありません。
もしこの記事を詐欺師が見ていた時に「こうすれば警察官らしくなるのか」と学習されても困るので具体的に言いませんでしたが、言ったところで人間の本能的に演技でどうこうなるものとも思いません。詐欺師の喋り方はどう頑張っても詐欺師です。
さておき、最初に挙げた対処法について少し解説しますね。
相手の所属と名前を確認する
最近は最初に自分から名乗る事もあるみたいですが、名乗らなかった時は確認してください。警察官なら必ず最初に名乗ります。脅し文句を真に受けない
ここが最大のポイントなんですが、警察官は電話口で脅すような事は言いません。警察官が脅すというか、喋り方に力をかけるのはまた別の場面で、健全に生活していればそんな対応をされる事は無いです。昔はこれに加えて「今すぐ!今すぐに!」と、やたらと急かせるのも詐欺師の特徴の一つでしたが、これも学習したのか、あんまりしなくなりましたね。それでも詐欺ではこの「急かせる」という事がよくあるので、覚えておいても損はないと思います。
今すぐという緊急事態はかなり限られていて、特殊詐欺でかかるような事案ではありません。
個人情報を教えない
電話口で口座番号など聞いたりしません。その他情報についても本当に重大事件化しているのなら通話で聞くような事はまずしません。折り返して電話したい旨伝える
この時点で通話を切られる事もあるとは思いますが、はっきり「折り返します」と伝えて切ってください。そして切られなかったとしても本物の警察官だとは思わないでください。このあたりも学習していて、あくまで演じ切るために食い下がってくる事もあるからです。そして、この時もし相手から電話番号やLINEやZOOMなどのURLを伝えられても、そこからは決して連絡しないでください。
事件の話をするのにLINEやZOOMなどのネット通信は使いません。ショートメールも同様に、基本使う事がまずありません。
そして電話番号を伝えてくるのは少し古いやり口ですが、伝えられたとしてもそれは偽の番号なので電話しないでください。
相手の語る連絡先ではなく、もよりの警察署に直、あるいは電話相談
前述の件といくつか被りますが、相手が伝える番号は偽の連絡先なので、かけないでください。他県県警からの連絡であったとしても、地元警察を通してアプローチ可能なので、近くの警察署か交番へ相談してください。もしどうしても外出が難しく電話相談されたい場合は、市報や警察からのお知らせなど、信頼性の高い媒体に掲載されている番号へかけてください。
ネットで検索するのも手の一つですが、万が一検索結果が間違っていた場合が怖いからです。
ネットの情報は今でも玉石混合で、検索結果の上位が必ず正しいとは限りません。
ついでに、と言ってはなんですが
ネットやYoutubeなどで報道機関や公的機関の「防犯対策」と銘打った情報をまず見て、それ以外のYoutuberなどの情報は、出来れば見ないでください。
特殊詐欺の現状を調べようと思ってニュースを調べていたんですが、そうしたら再生回数の多い、素性や経歴も不明な人達のキャッチーな動画が出てきて少しゾッとしました。
それを言い始めると私もまたPNや元所属しか公開していない自称の身なので信頼するには頼りないのですが。
是非各都道府県警の情報を調べてみてください。……と思って大分県警の特殊詐欺に関するページを見てみたんですが、相変わらずホームページやウェブ上の発信がおぼつかない感じでちょっと泣けてきました。知ってた。
なのでまだマシな情報を掲載している、警察庁の特殊詐欺対策ページはこちらです。
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事務屋時代は頑張って広報活動していたつもりでした。ですが、私自身、転職してからものの一年しないうちに、公的機関の情報などからすっかり切り離され、目にしなくなった事に愕然としました。
物理的な新聞を取らないし、街中の掲示板も中々立ち止まって読んだりしない。地区の情報も防犯情報を網羅しているわけでもない。これは中々対策も広まらないはずだ……と痛感しました。
ちょっとした広報チラシって、新聞の折り込みにするんです。チラシ単独のポスト投函とは違うので、紙の新聞を購読していないと手に入らないんですよね。それにしても、故郷では年二回、独自の広報誌を印刷所さんに頼んで印刷して貰い、市報の配布と一緒に各世帯に配って貰っていたので、それすら届かないという事は作られていないという事で、東京は財政も結構豊かだろうに、どうなってるんだとも不思議に思います。
しかしネットに親しんでいる人に対してはそれこそ今は公式SNSアカウントなどもあるわけですから、頑張ってそこから発信を続けていって欲しいですね……。これも全ての人がフォローするわけでもないでしょうけど、それでもです。
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ついでなので更に余談なんですが、最近珍しくSNS上で「現役警察官、あるいは元警察官」を名乗るアカウントが増えてきたように思います。
でもそういった自称警察官・元警察官の人達を、基本は信じないでください。
自衛官に比べて、警察官は退職後であっても滅多な事ではネット上で素性を明かしません。何故かと言うとその職務に理由があります。自衛隊と警察では、組織的にも結構温度差があります。また、自衛官は退職後も予備自衛官という制度がありますが、警察にはありません。なので、わざわざ身の上を語る理由が益々無いのです。
私は外郭団体職員という準公務員、かつ広報がメインの職務だったので、守秘義務にかからない部分の事をこの記事のように発信したり、たまに呟いていますが、もし完全に公務員だったとしたら経歴も喋っていないと思います。それくらい、秘匿性が高い情報の方が多いので、線引きが難しくて喋りたがらない人の方が多いです。
かくいう私自身も、可能な範囲の事しか喋っていません。
自称警察官の真偽を見極める方法は少しだけあります。それは、「どうでもいい日常の話が出来るかどうか」と、「守秘義務にかかる事(非公開情報)を喋っていないかどうか」です。
たとえば日常の話として私が言える事があるとすると、職場まで自転車で通っていた事とか、お昼に部長がうどんを注文した時急な呼び出しがあって、帰ってきたら麺がのびのびになっていたとか、休憩時間や仕事が終わった後で一緒にオンラインゲームで遊んでいたとか、そういう感じの事です。
不特定多数に向けて言えない話があるとすると、非公開の事件事案に関わる事、公開事件でも、メディアで報道されていない内容の全てです。例えば具体的な部分を述べずに(公開情報ではない証左だと思います)被疑者が銃を所持していて撃たれそうになっただとか、そういう話をした時点で偽者だと思って下さい。
例外があるとしたら、各都道府県警の公開情報のみです。許可が下りているからです。
私がたまにする話も、公開情報のみです。
私が基本疑い深いのは元々です。事務屋になって強化されました。また、文学を専攻した事によって一々裏を取る癖もつきました。なのでSNSでイラストやメディア以外のものをリポストしないのもそれもあります。真偽不明な事、責任のとれない事を広めるわけにはいかないからです。
というわけでだいぶ話がそれてしまいましたが、特殊詐欺にはお気を付けください。また、身近な方にも出来れば注意喚起をしてあげてください。
「いかのおすし」にしても「なんで被害を受ける側が注意して生きなければならないのだ」と、当時から憤慨しているところもあるのですが、現状気を付けるしかないですね……。